【他団体の取り組み/FoE Japan、メコン・ウォッチ】7・14コトパンジャンダム訴訟から見るODAの環境社会配慮と法的責任@東京

FoE Japan/メコン・ウォッチの満田さんよりのイベント案内を転載します。東京近辺の方、ご参加ください。

 それにしても、6月29日に発表された外務省のODA改革報告書「ODAのあり方に関する検討 最終とりまとめ」では、「過去の失敗したODAの教訓化」が明記されているわけですから、まっ先に詳細に調査・検討し「教訓化」していただきたいケースではないかと思います。なにしろ、日本のODA(正確には、日本政府・援助機関・コンサルタント会社)がその「受益者」であるはずの現地住民8000人以上から日本の裁判所に損害賠償を求めて訴えられるという日本のODA史上、前代未聞の大不祥事となった事件ですので。

(「読売新聞」記事)
失敗例もHPで公開、外務省がODA改革報告書
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100629-OYT1T00961.htm

 管理人

(写真〔左〕:鷲見一夫『住民泣かせの「援助」―コトパンジャン・ダムによる人権侵害と環境破壊』明窓出版、2004年)

 コトパンジャン・ダム。インドネシアの地において、日本の「政府開発援助」の一環として、日本の企業の主導により建設されたダム。治水を目的として建設されたそれは、しかし見かけ通りの「善」なる事業の産物ではない。あくまでもそれは企業と政府の利益のために作られたものである。確かにダムの建設は、毎年住民を襲う水害を防ぐが、だがダムに沈む地域に住んでいる人々はどうするのか? 移住するにしても、その分の援助は十分になされているのか? 水害は同時に肥沃な土をもたらしてきたが、それを失えば農業はどうなるのか? 

 そしてダム建設により生まれた利益はどこへ流れていくのか? 住民の訴えもむなしく、政府と企業の都合のもとダムは建設された。一体誰のためのダムなのか? 一体何のためのダムなのか? 著者は、援助の名のもとに人々が苦しんでいる現状を、豊富な資料を駆使して告発する。一体援助という名、善という大義のもとに何が行なわれているのか。一つのダムの話に始まった本書の視野は、そこから世界全体に関わる問題へ拡がっていく。

 世間で国際支援が叫ばれる中、その美名に隠された「裏」を考えるきっかけを与えてくれる一冊である。
レビュー作者 真悠信彦

出所:明窓出版HPより
http://www.meisou.com/books_data/00062/00062.htm

(関連サイト)
コトパンジャン・ダム被害者住民を支援する会
http://www.kotopan.jp/


(以下、国際環境NGO FoE Japanのサイトより転載)
http://www.foejapan.org/aid/doc/evt_100714.html

シリーズ 市民が見直す政府開発援助(ODA

政権が変わり様々な変化が起こるなか、今まで聖域とされてきた政府開発援助(ODA)も事業仕分けの俎上に上がり注目を集めています。

外務省が進めるODA見直し、その中間とりまとめでは、これまでのODAが「東アジア地域は『開発』を通じて安定と成長を実現」「日本外交の重要な手段として成功」と、プラス評価を前面に打ち出しました。一方、NGO市民社会は、援助による様々な環境・社会問題を提起してきましたが、今回の見直しに十分に反映されているとは言えません。

シリーズ「市民が見直すODA」では、市民社会の働きかけによって、ODA事業による環境社会影響を防ぐため、どのような試みがなされてきたか?その結果何が生まれているか?ということを振り返り、あるべき援助の姿についてみなさんと考えていきたいと思います。

  第1回 7月14日 コトパンジャンダム訴訟から見るODAの環境社会配慮と法的責任
  第2回 9月中旬 「環境事業」による環境破壊:サムットプラカン汚水処理事業(仮題)
  第3回 10月中旬 「貧困削減」の虚構:ラオスナムトゥン2ダム(仮題)
  第4回 11月中旬 市民から見たODAの問題を振り返る(仮題)

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【転載歓迎】
シリーズ 市民が見直す政府開発援助(ODA
第1回 コトパンジャンダム訴訟から見るODAの環境社会配慮と法的責任http://www.foejapan.org/aid/doc/evt_100714.html
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コトパンジャンダムは、日本の援助で実現可能性調査が行われ、後に円借款が供与され、建設に至ったインドネシアのダムです。事業は、同意書への強制的署名、軍隊の脅しによる強制移住、不十分な補償などを訴える現地の住民が、日本政府を相手取り、日本で訴訟を起こす初めてのケースとなりました。

この事例では、日本政府やJICAは環境社会配慮について法的義務を負うのか、また、被害発生は途上国政府の行為が原因で日本やJICAは資金供与者に過ぎないのではないか、といった議論が法廷で交わされています。 ODAによる被害者に対して、日本国政府やJICAが法的責任を有することはあるのか?

――弁護士の福田健治氏の報告から、この問題を検証します。

■日時: 2010年7月14日(水)18:30〜20:00
■場所 :環境パートナーシップオフィス(EPO)会議室 http://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html#epo 
東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F TEL:03-3406-5180
■参加費: 500円(主催団体会員無料)
■申込み :下記をE-mail(event@mekongwatch.org)までご連絡ください。
・ご氏名
・ご所属
・E-Mailアドレス
・主催団体会員/会員以外の別
■問合せ:メコン・ウォッチ(担当:木口)
 Tel: 03-3832-5034 Fax: 03-3832-5039
 Email: info@mekongwatch.org
■主催 :FoE Japan、メコン・ウォッチ
■協力:地球・人間環境フォーラム


==満田夏花 Kanna Mitsuta
E-mail:kanna.mitsuta@nifty.com

国際環境NGO FoE Japan
 tel: 03-6907-7217  fax: 03-6907-7219

メコン・ウォッチ
 tel: 03-3832-5034  fax: 03-3832-5039