【民主党参院選マニフェスト/自民党時代への逆戻り?】「政府のリーダーシップの下で官民一体となって、高速鉄道、原発、上下水道の敷設・運営・海水淡水化などの水インフラシステムを国際的に展開・・・ODAなどの戦略的な活用」

7月の参議院選挙に向けて、各党のマニフェストが発表されました。

 民主党マニフェストでは、政府開発援助(ODA)について、

「総理、閣僚のトップセールスによるインフラ輸出 政府のリーダーシップの下で官民一体となって、高速鉄道原発上下水道の敷設・運営・海水淡水化などの水インフラシステムを国際的に展開。国際協力銀行貿易保険、ODAなどの戦略的な活用やファンド創設などを検討します」

とありますが、これは、2009年総選挙での自民党マニフェスト

「ODAの積極的な活用を図り、官民連携の強化やわが国企業の海外進出を後押しする」

と極めて似通った主張になっています。

 民主党は2009年の総選挙では、以下のような主張を展開していました。

「深刻化する世界の貧困問題と「人間の安全保障」の実現は、日本の国際協力分野における最重要課題です。一国だけでは解決できない環境・砂漠化・難民・貧困・感染症問題などの「人間の安全保障」への取り組み、ミャンマージンバブエをはじめとした国々の民主化を支援します。

政府開発援助(ODA)を抜本的に見直し、相手国の自然環境の保全と生活環境の整備に重点的に援助することで、日本が地球環境の保全で世界をリードする地位を築いていきます」

 貧困問題(人間の安全保障)や環境問題はどこかに消え「トップセールスによるインフラ輸出」、「官民一体となって、高速鉄道原発上下水道の敷設・運営・海水淡水化などの水インフラシステムを国際的に展開…ODAなどの戦略的な活用」と自民党時代と同じような主張になってしまっています。市民の多くは民主党政権に対して沖縄基地問題で裏切られたという感覚を持っていますが、ODA改革に関しても、また、裏切られるのでしょうか?ODAは何のためにあるのか?という根本的な議論が求められています。


民主党の政権政策Manifest2010】
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2010/index.html#text
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2010/data/manifesto2010.txt

総理、閣僚の
トップセールスによる
インフラ輸出
政府のリーダーシップの下で官民一体となって、高速鉄道原発
上下水道の敷設・運営・海水淡水化などの
水インフラシステムを国際的に展開。国際協力銀行貿易保険
ODAなどの戦略的な活用やファンド創設などを検討します。

アフリカなど途上国支援を強化するため、
国際機関やNGOと連携するとともに、
ODAのあり方を見直し、質・量ともに強化します。


民主党・政策集INDEX2009
http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/08.html#ODAの活用、「人間の安全保障」などへの取り組み

ODAの活用、「人間の安全保障」などへの取り組み

深刻化する世界の貧困問題と「人間の安全保障」の実現は、日本の国際協力分野における最重要課題です。一国だけでは解決できない環境・砂漠化・難民・貧困・感染症問題などの「人間の安全保障」への取り組み、ミャンマージンバブエをはじめとした国々の民主化を支援します。

政府開発援助(ODA)を抜本的に見直し、相手国の自然環境の保全と生活環境の整備に重点的に援助することで、日本が地球環境の保全で世界をリードする地位を築いていきます。また、情報公開や外部監査・業務評価を徹底させ、透明性・効率性を確保するとともに、他の援助国・国際機関等との協調・連携を深めることで、援助対象国のニーズに合った無駄のない援助を行います。ODAを補完するための新たな資金メカニズムも検討します。

特にアフリカに対する重点的な支援も重要であり、各国と協調し、2015年までのミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けて、日本の行動計画の策定やODAの積極活用を含む支援強化を図ります。

国際協力においてNGOの果たす積極的な役割を評価し、開発援助政策の策定・実施への参画拡大など連携を強化します。


自由民主党政権公約2009】
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2009_yakusoku/contents/bank_09.html

わが国の総合的な外交力を一層強化するとともに、中国、韓国など近隣諸国との関係を増進し、アジア・太平洋地域の安定と繁栄を共に築いていく。また、ODAの積極的な活用を図り、官民連携の強化やわが国企業の海外進出を後押しする。さらに、日本の優れた法制度や保健医療システム等の対外発信を高めるとともに、戦略的な日本語普及、知的交流、科学技術外交を進め、日本のソフトパワーを強化する。