【他団体の取り組み】6・24ODA改革を考えるセミナー「フィリピン・ボホール灌漑事業プロジェクト(現地調査)から日本の『援助』の問題点を考える」@京都


(写真:2010年2月に京都市内で行われた過去のODAの検証を求める集会「波多江秀枝さんのフィリピン報告会〜開発支援後の現地で残された問題―日本の責任は?」〔主催:関西フィリピン人権情報アクションセンター/CFFC〕)


関西フィリピン人権情報アクションセンターからのODA改革に関するセミナーの案内をお知らせします。なお、当初6月19日(土)となっていた開催日時ですが、報告者の都合により6月24日(木)に変わりましたのでご注意ください(会場は同じ「ひと・まち交流館 京都」です)。ODA改革ネットワーク関西の協力イベントでもあります。

 管理人


(以下、転送・転載大歓迎!) 


【最新版チラシ】6.24ODAセミナー案内(プリントアウトして宣伝にお使いください)
6.24ODAセミナー案内.doc 直


 現在、これまでのODAのあり方の再検討が政府により行われています。日本のNGOは新政権によるODAの抜本的な見直し作業の開始を歓迎するとともに、この間の政府との協議の中で、真に市民に理解され共感され得るODAを実現するためにさまざまな提案を行っています。今回、関西でODAの抜本的な見直し作業の現局面について、特にNGO側が何を求めているのかについての情報を共有化し、さらにODA 改革の次のステップは何かを考える下記セミナーを開催します。

 そのキーワードのひとつが「過去のODAの検証」です。なぜ、「過去のODAの検証」が必要なのか、TVニュースでも全国に放映され、「事業仕分け」の場でも問題プロジェクトの具体例として取り上げられた「比ボホール灌漑プロジェクト」の事例を取り上げて、フィリピン現地で同プロジェクト調査に長年関わってこられた波多江秀枝さんの報告を中心にこの問題を考えたいと思います。

 関西フィリピン人権情報アクションセンターからは、ODA抜本的見直し作業をめぐるこの間の動き(政府とNGOとの対話)の整理と、特に、日本の市民社会側がこの見直し作業において現在の日本のODAの何を問題としているのか、そして、何を求めているのかについて、各提言内容などを整理・比較しながらまとめて報告したいと思います。

 さらに今回、関西NGO協議会で「過去のODAの検証」に関する提言書を起草された関西学院大学教員で関西NGO協議会・提言専門委員の川村暁雄さんをお招きして、「過去のODAの検証」を今後、どう具体的に進めていくべきなのか、提言書のポイントを解説していただきながら、参加者全員で議論できればと考えています。

 多くの市民・学生・研究者・NGO関係者の方の参加を呼びかけます。


関西フィリピン人権情報アクションセンター/フィリピンのこどもたちの未来のための運動(CFFC)


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関西フィリピン人権情報アクションセンターの詳細HP
http://www.geocities.jp/fujiwara_toshihide/50/20100624.html


6・24 ODA改革を考えるセミナー
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   政府開発援助(ODA)の抜本的な見直しのために
         過去のODAの検証を!

 フィリピン・ボホール灌漑事業プロジェクト(現地調査)から
       日本の「援助」の問題点を考える

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■日時:2010年6月24日(木)午後6時30分〜8時30分

■場所:「ひと・まち交流館 京都」2階 和室A・B(河原町五条下る東側)
(京阪電車清水五条」下車西へ徒歩8分、地下鉄烏丸線「五条」下車東へ徒歩10分、市バス「河原町正面」下車スグ)
〔アクセス〕
http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html


(内容)


【第1部】これまでの事例から見る日本の政府開発援助(ODA)の問題点


 ●現地報告
 「フィリピン・ボホール灌漑事業に見るODAの問題点とJICAに求められるもの」
(写真:フィリピン現地の住民とともに、右から二人目が波多江秀枝さん)
報告者:波多江 秀枝さん(国際環境NGO FoE Japan委託研究員)
〔波多江秀枝(はたえ・ほづえ)さんのプロフィール〕
2001年中央大学法学部政治学科卒。国際政治学専攻。2000年から国際環境NGOFoE Japanにおいて「開発金融と環境プログラム」でボランティアを始める。FoEJapanの「開発金融と環境プログラム」は、ODAなどの国際金融の中身をチェックし、社会的・環境的に問題の多い開発事業が公的資金で支援されることのないよう政策提言を行う活動。2001年からはキャンペーナー、2007年からは委託研究員として、フィリピン各地の開発事業の現場を回り、地元の団体と環境社会問題の解決に取り組み続けている。2007年には日本財団アジア・フェローシップAPIフェローシップ)生として、日本企業が関わるフィリピン、マレーシアの開発事業に伴う社会影響について調査にまとめている。


 ●ドキュメンタリー上映
 「マリナオ・ダムにおける隠された農民の動揺」
  (現地NGOボホール灌漑事業により被害を受けた農民の声をまとめた映像)


【第2部】「政府開発援助(ODA)の抜本的な見直し」の現局面と次のステップを考える


 ●経過報告:「ODAの抜本的な見直しに向けた政府とNGOの対話および『事業仕分け』について−特にNGO側の主張について」

   報告者:内富一さん(関西フィリピン人権情報アクションセンター/ODA改革ネットワーク関西/ジュビリー関西ネットワーク)
(関連サイト)
関西フィリピン人権情報アクションセンター
http://www.geocities.jp/fujiwara_toshihide/index.html
ODA改革ネットワーク関西−ODA改革の今を伝える−
http://d.hatena.ne.jp/odanetkansai/
Drop the Debt ! ジュビリー関西ネットワーク(Jubilee Kansai Network)
http://d.hatena.ne.jp/Jubilee_Kansai/


 ●問題提起:「ODA改革にとって必要な次のステップは何か?−過去のODAの検証を求める関西からの提言について−」

報告者:川村暁雄さん(関西学院大学人間福祉学部教員/関西NGO協議会・提言専門委員)
〔川村暁雄(かわむら・あきお)さんのプロフィール〕
1961年生まれ。大阪大学工学部環境工学科卒業。大阪大学大学院法学研究科、神戸大学大学院国際協力研究科修了。日本消費者連盟、(財)アジア・太平洋人権情報センター等NGO勤務、神戸女学院大学文学部助教授などを経て、現在、関西学院大学人間福祉学部準教授。専門は国際関係論。研究テーマは、社会発展と人権の関係、グローバル社会のルール作りのあるべき姿など。関西NGO協議会提言専門委員会委員、「環境・持続社会」研究センター理事、メコンウォッチ監事など国際協力・環境分野の市民社会活動にも積極的に参加。国際協力機構(JICA)環境社会配慮審査会委員等を務め、2004年4月1日にJICAが制定した「JICA環境社会配慮ガイドライン」作成にも関わった。著書に『グローバル民主主義の地平 アイデンティティと公共圏のポリティクス』(法律文化社、2005年)、共著に『平和学を学ぶ人のために』第2章「人権と開発・発展─ この歪んだ世界を変えるために」(世界思想社、2009年)など多数。


■参加費:500円(事前申し込み不要。直接会場にお越しください)

■主催:関西フィリピン人権情報アクションセンター/フィリピンのこどもたちの未来のための運動(CFFC)
http://www.geocities.jp/fujiwara_toshihide/index.html

■協力:国際環境NGO FoE Japan/ODA改革ネットワーク関西/ジュビリー関西ネットワーク(6月16日現在、順不同)

■協賛:市民社会フォーラム

■後援:関西NGO協議会

■賛同:京都YWCA

■問合せ先:関西フィリピン人権情報アクションセンター/フィリピンのこどもたちの未来のための運動(CFFC)(担当:藤原)
京都府宇治市広野町西裏99−14 パール第1ビル3階
Tel 0774−48−1100
Fax 0774−44−3102
http://www.geocities.jp/fujiwara_toshihide/index.html
fujiwara_toshihide@yahoo.co.jp


(ビデオについて)
「マリナオ・ダムにおける隠された農民の動揺」(09年12月製作、22分)
高木仁三郎市民科学基金の助成により現地NGOが制作した被害者農民の声を伝える貴重な映像)

日本の政府開発援助(ODA)で進められ、1997年に竣工したフィリピン・ボホール島の灌漑事業(マリナオダム)では、1363人の住民が元々畑だった土地をならし、水田に転換しました。しかし、供給されるはずの水が十分に届かない農地が出てきました。また、水田に転換するために使ったブルドーザー等の費用は、フィリピン国家灌漑庁(NIA)とのローン契約で賄われたため、水が供給されていないにもかかわらず、その借金の返済義務が残ってしまった農民もいます。

高木基金の2008年度アジア枠助成を受けて、フィリピンのWomen's DevelopmentCenter (WDC)は、このODAで建設されたダムが農民の暮らしに与えた影響について、聞き取り調査などを行いました。WDC作成のこのビデオでは、地元の人々の実情を知ることができます。