【世界ダム委員会 10周年記念イベント】「ダムをめぐる新たな議論:河川開発の国際潮流と日本」(2011年1月12日、東京)


(写真:ボホール灌漑事業の被害農民による抗議行動。「ダム建設の被害者に正義を!」2008年10月16日、ボホール州タグビララン市、農業生産センター前でのピケ集会)


イベント詳細HP
http://www.foejapan.org/aid/wcd/evt_110112.html

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1・12(水) 世界ダム委員会 10周年記念イベント
「ダムをめぐる新たな議論:河川開発の国際潮流と日本」
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今から10年前、ひとつの報告書が世界のダム開発の潮流に衝撃を与えました。世界ダム委員会*が2年半にわたって世界のダムを調査・分析し発表した最終報告書です。

報告書は、大型ダムが大規模な移転や環境破壊をもたらすこと、経済的・技術的にも必ずしも有効とは言えないことを明らかにし、ダム開発のあり方を根本的に見直す画期的な提言を行いました。

発表から10年、ダム開発を巡る日本や世界の動向はどうなったのでしょうか?

日本では民主党政権になってから、ダム建設の政策変更を巡り議論が巻き起こりました。国際的には、水力発電ダム業界によるダム建設に関する基準の作成、大型ダム開発への新たな資金源としての「新興国」の台頭等、新たな課題が出てきました。

こうした課題も含め、セミナーでは、特に世界ダム委員会の報告後の国際的なダムを巡る状況、海外および日本のダム開発の問題や状況の変化について考え、ダム開発への今後の対処の方向性を探ります。


●日時 2011年 1月12日(水)14:00〜16:45  13:30開場
●場所 国立オリンピック記念青少年総合センター  国際交流棟 第1ミーティングルーム
東京都渋谷区代々木神園町3-1  
(地図 )
http://nyc.niye.go.jp/facilities/d7.html

●プログラム(予定)

1.基調講演:「WCD報告書以降のダム開発を巡る世界の動き」 逐次訳
  …マイケル・サイモン/オックスファム・オーストラリア、
       国際水力発電協会のHydropower Sustainability Assessment Forum**委員

2.海外のダム開発の現場における問題・状況の変化
  事例報告1:フィリピン・サンロケ多目的ダム事業
          「WCDが調査したダムの提示する新旧の課題」
          …波多江 秀枝/FoE Japan委託研究員

  事例報告2: タイ・パクムンダム事業
          「住民パワーが運転を止めたダム事業の行方」
          …木口 由香(メコン・ウォッチ)

3.「政権交代後の日本のダム事情」 〜なぜか迷走 さてどうしよう!!〜
          …遠藤保男(水源開発問題全国連絡会)

4.質疑応答

●定員 120名

●参加費 一般 1000円 / 主催・協賛団体会員 無料

●申込み 申込みフォームよりお申込みください。
 申込みフォーム(一般)   
http://www.foejapan.org/event/event_form.html
 申込みフォーム(FoEJサポーター)
http://www.foejapan.org/event/spt_event_form.html

●問合せ FoE Japan 開発金融と環境プログラム (担当:柳井・清水)
Tel:03-6907-7217 / Fax:03-6907-7219  Email: finance@foejapan.org
●主催 FoE Japan、水源開発問題全国連絡会、メコン・ウォッチ、RWESA-Japan
●協賛 「環境・持続社会」研究センター(JACSES)

*世界ダム委員会(World Commission on Dams):
世界銀行のイニシアティブの下、大型ダム開発の有効性の検討や水資源・エネルギー開発の代替案の検討、ダム事業に関連する国際基準の作成を目的に設立。企業、コンサルタント、政府関係者、学識経験者、NGOなどが委員として参加し、98年に活動開始。

**Hydropower Sustainability Assessment Forum:
国際的な水力発電の業界団体である国際水力発電協会(IHA)が今年策定した「水力発電における持続可能なアセスメント手続き」に対し、レビュー及び勧告をおこなってきました。フォーラムのメンバーには、先進国・途上国政府、銀行、NGO世界銀行など様々なセクターのメンバーから構成されています。


【講演者プロフィール】
●マイケル サイモン/オックスファム・オーストラリア - 人々、インフラと環境プログラム


オックスファム・オーストラリアのメコン地域アドボカシープログラムを先導、大規模インフラプロジェクトの影響を受けるコミュニティの権利を支持する活動を行う。

国際水力発電協会(IHA)の水力発電持続可能性評価フォーラムでは、オックスファム・インターナショナルを代表し、東アジアにおける戦略提言アドバイザーを務める。さらに、主にアジア開発銀行を中心に、オックスファムにおける国際金融機関に関する取り組みを手がけている。

1996年にオックスファム・オーストラリアに参加して以来、政府、国際機関や企業への高レベルでの代表を努める。南アジア、東アジア、南米、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパでの豊富な現場経験を持つ。

●遠藤 保男(えんどう やすお) / 水源開発問題全国連絡会
1944年生れ。1972年4月から2005年3月まで東京都職員として公害局・水道局に勤務するかたわら、環境問題・水問題をテーマとした市民運動に関わる。現在、水源連共同代表。

●波多江 秀枝(はたえ ほづえ) / 国際環境NGO FoE Japan 委託研究員
FoE Japanの「開発金融と環境プログラム」でボランティアを始める。2000年から現在まで、サンロケダム事業のモニタリングを担当。2001年からは同プログラムのキャンペーナー、2007年からは委託研究員として、フィリピン各地の開発事業の現場を回り、地元の団体と環境社会問題の解決に取り組んでいる。

●木口 由香(きぐち ゆか) /(特活)メコン・ウオッチ
タイ語ラオス語通訳・翻訳業を経て2001年よりメコン・ウォッチに参加。パクムンダムが建設されたムン川での調査のため、プロジェクトコーディネーターとしてタイ滞在。メコン河流域の人々の自然資源利用に関する調査・映像撮影、開発事業のモニタリングを担当している。2004年より京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程入学、在籍中。2008年よりメコン・ウォッチ東京事務局。