【他団体の取り組み】フィリピン・ボホール現地からODA被害農民が来日−10・9 ODA による灌漑ダム開発が招いた 10 数年の混乱 (京都)


(写真:ボホール灌漑事業によるマリナオ・ダムやタリボン・ダム建設の整地作業により農地を破壊された現地農民の抗議行動。横断幕にあるHUMABOLとは「ボホール農民連合」のこと。2008年10月16日、ボホール州タグビララン市、農業生産センター前でのピケ集会)
出所:Bohol farmers call for food security and genuine land reform, not land conversion, corruption and militarization
http://www.arkibongbayan.org/2008-10Oct16-worldfoodlessday/humabolfoodlessday.htm


事業仕分けでも杜撰な政府開発援助(ODA)の典型例として取り上げられた円借款による「ボホール灌漑事業」*。

 「灌漑」されたはずの農地に水は来ておらず、予定されていたコメ作りも失敗、借金のみを背負わされて、来てもいない水の「使用料」を支払わされ続けている現地被害農民の方が来日されます。

ODA改革ネットワーク関西2010年4月25日記事を参照
事業仕分け・第2段】「有償資金協力」を議論−ボホール灌漑プロジェクト
【TBSニュース】失敗したODAプロジェクトとしてボホール灌漑プロジェクトの映像を放映
http://d.hatena.ne.jp/odanetkansai/20100425

 6月29日に発表された外務省のODA改革報告書「ODAのあり方に関する検討 最終とりまとめ」では、「過去の失敗したODAの教訓化」が明記されている(事業仕分けでも取り上げられている)わけですから、まっ先に詳細に調査・検討し「教訓化」してもらいたいケースですが、その被害農民の方自身がフィリピンから来日して現地の窮状を訴えられます。

 ODA被害者の生の声を聞く貴重な機会です。ぜひ、フィリピン現地農民のお話をお聞きください。


 関西フィリピン人権情報アクションセンター/CFFC
(宣伝などに協力していただける協力・協賛団体募集中です!)


●10・9ボホール農民京都報告会・宣伝用チラシ(↓クリックするとダウンロードできます。各種宣伝にお使いください)
10・9ボホール農民京都報告会チラシ.pdf 直


 ODA改革ネットワーク関西も協力団体になっています。



≪以下、転送・転載大歓迎≫

<10.9 公開セミナー@京都のご案内>

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    「ODAによる灌漑ダム開発が招いた10数年の混乱」
〜フィリピン・ボホール灌漑事業 住民組織の代表をゲストに迎えて〜

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イベント詳細HP(CFFC/関西フィリピン人権情報アクションセンター)
http://www.geocities.jp/fujiwara_toshihide/50/20101009.html


(写真:「マリナオ・ダム」「タリボン・ダム」と書かれたプラカードを掲げて、ダム整地作業被害農民への正義を要求する集会参加者。2008年10月16日、ボホール州タグビララン市、農業生産センター前でのピケ集会)


 フィリピン・ボホール灌漑事業は3つのダムを建設し、約1万ヘクタールの農地を灌漑する計画で、国際協力機構(JICA)の資金援助で進められました。しかし、1997年に完成した1つ目のダムは平均で目標の約6〜7割程度の農地にしか灌漑用水を供給できておらず、「10年以上も灌漑用水が届いていない農地がある」「(畑を水田用に転換する)整地作業後、農地が不毛化してしまった」など、現地の住民から様々な問題を指摘する声があげられ、日本のNGOなどもJICAに対応を求めてきました。今年4月には、事業仕分け第2弾の議論の中でも、JICAの審査が甘い案件の一つとして取り上げられました。

 今回は、そうした問題の解決を訴えてきた住民組織の代表をゲストにお迎えし、このダム開発により地元の農民の生活がどのように変わったのか、現状と問題点について現場の声を伝えていただきます。また、事業が開始されてからこれまでの住民の問題への取り組みに加え、今年5月にようやく始まったJICAの現地調査や9月初めに開催されたマルチ・ステークホルダー会合にご自身が参加された経験等、現地での新しい動きと今後の課題についてもご報告いただきます。

 ODAの引き起こしている問題に日本にいる私たちがどう取り組めるのか、皆さんと改めて考える機会にできればと思います。

 奮ってご参加ください!


【日時】 2010年10月9日(土)18:30〜20:30

【場所】 ひとまち交流館 京都 第2会議室(河原町五条下る東側)
    http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html

【ゲスト】レイナルド・ルチャナ氏
    ピラーダム事業の犠牲になった農民連合
    (ALMABIPDA)代表
    (逐次訳あり)

【参加費】 1000円(経済的に苦しい方は受付まで)

【主催】 フィリピンのこどもたちの未来のための運動(CFFC)
     関西フィリピン人権情報アクションセンター

【協力】 国際環境NGO FoE Japan
     ODA改革ネットワーク関西
     AMネット
     ジュビリー関西ネットワーク(2010年9月24日現在)    

【その他】同事業のより詳細な情報はこちらをご覧ください。
http://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/bohol/index.html
http://www.geocities.co.jp/SweetHome-Ivory/9660/oda/cebubohol.html#bohol

【問合せ先】フィリピンのこどもたちの未来のための運動(CFFC)

京都府宇治市広野町西裏99−14 パール第1ビル3階
Tel 0774−48−1100
Fax 0774−44−3102

http://www.geocities.jp/fujiwara_toshihide/50/20101009.html
fujiwara_toshihide@yahoo.co.jp

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フィリピンからのゲストのプロフィール

■ Reynaldo Luchana (レイナルド・ルチャナ)氏

  ピラーダム事業の犠牲になった農民連合(ALMABIPDA:アルマビプダ)代表

国際協力機構(JICA)の資金援助で進められた「マリナオダム灌漑事業」(別名ピラーダム。「ボホール灌漑事業 第1期」としても知られる)により生活が苦しくなった農民らが、不毛化した農地の修復や灌漑システムの改善を目的とし、2004年に設立した「ピラーダム事業の犠牲になった農民連合(ALMABIPDA)」の代表を2007年から務める(現在、2期目)。

Luchana氏が暮らすボホール州ダゴホイ町カルアサン村は、同灌漑事業により灌漑用水が供給されることを約束された地域の一つだった。しかし、彼自身の農地の大部分は灌漑用水が届かず、また、整地作業により不毛化したため、10年以上も利用できない状況が続いており、彼の家族も厳しい生活を余儀なくされている。同様の被害を受けたカルアサン村の多くの農民は、「ボホール農民連合(HUMABOL)」の協力の下、2006年に「整地作業の犠牲となった灌漑組織LACALSANDAの農民(MALALA)」を立ち上げた(この時、Luchana氏はMALALA代表に選出)。その後、MALALAは、他の町村でも同様の犠牲を受けた農民の連合「ALMABIPDA」へ参加した。これまでにALMABIPDAは、Luchana氏のリーダーシップの下、様々な関連政府機関との会合を始め、今年JICAが行なった同事業に関する現地調査においても、農民の抱える問題や要求を伝えるなど、積極的な活動を続けている。

ボホール州の農家に生まれ、農民の暮らしの厳しさを身をもって知っている。勤勉で大学に進むものの、家族の農業収入だけでは学費を賄えず、大学3年(政治学)で中退。現在は、5児の父親でもある。類まれなリーダーシップと信頼感から、1997〜2007年まで、カルアサン村評議員に連続して選出された。2007年には村長に選出され、任期中。


(写真:今年4月にボホール現地を訪れた関西フィリピン人権情報アクションセンターとCFFCの現地調査団のホームスティ先が今回来日される村長ルチャナさんのお宅でした。写真中央がルチャナさん、左側が日本からのNGO調査団)